【Blender×Claude】自社キャラをAIだけでモデリングしてみた

昔手作業で作った自社キャラを、最新AIでだけで制作してみる
当ブログでもおなじみ、「宇宙飛行士くん」。Blenderの練習を兼ねてすべて手作業でモデリングして誕生しました。
当時は四角い箱からちまちま頂点を押し出し、パーツのバランスに何時間も悩み……リグやウェイトに苦戦し、今見返すとかなり力技で作った部分も多かったりします。
そんな苦労から月日が経ち、生成AIは「ツールの自律操作(MCP)」までこなす時代になりました。
そこでふと思ったのが、これ。
「今なら、Blenderを触らなくてもAIだけで作れるのでは?」
今回は最新のAIワークフローを使って、この宇宙飛行士くんをゼロから再現できるか試してみました。
- 昔手作業で作った自社キャラを、最新AIでだけで制作してみる
- 全体ワークフローと検証環境
- 【準備編】Geminiによるキャラクター三面図の生成
- 【準備編②】ClaudeとBlenderを「MCP」で繋ぐ
- Claudeにチャットで指示出ししてみる
- 1. 三面図を渡して丸投げ
- 2. レンダリング画像を見せて全体調整
- 3. 細部の「積み木感」を修正
- 4. ポーズをつけて発覚した「ウェイト崩れ」を直す
- 完成モデルと手作業モデルの比較
- やってみてわかったこと・まとめ
- 1. 「一発生成」ではなく、アシスタントと対話して詰める感覚
- 2. スクショを投げるだけの「視覚的フィードバック」が快適
- 3. プロトタイピングとベースモデル制作の圧倒的な高速化
- Blender初心者でもモデリングできるのか?
全体ワークフローと検証環境
今回の制作パイプラインは以下の通りです。人間の役割は「各AIへのプロンプト入力」と「指示出し」のみに絞りました。

使用環境・ツール:
Gemini: 既存イラストからの三面図展開
Claude: 形状認識、設計、モデリングの実行指示
Blender:3Dメッシュ生成環境
【準備編】Geminiによるキャラクター三面図の生成
3Dモデリングを行うには、正面だけでなく「横から見た厚み」「後ろ姿」の情報が不可欠です。まずは既存の自社キャラクターをGeminiに渡し、三面図(フロント・サイド・バック)の出力を依頼しました。
書き出してもらった画像はこちら

【準備編②】ClaudeとBlenderを「MCP」で繋ぐ
今回一番のポイントとなるのが、「MCP(Model Context Protocol)」を使ったClaudeとBlenderの直接連携です。
セッティングの流れはとてもシンプルです。
Claude側:Claude Desktopの「設定(Settings)」>「Extensions(または Connectors)」から、Blender連携機能を追加
Blender側: 専用アドオンをインストールして有効化(チェックを入れる)
検証時の環境メモ
Blender: Blender 5.1 LTS
Claude: Desktop App
これだけで、Claudeがチャットを通じてローカルのBlenderを直接操作できる状態が整います。準備ができたらいよいよモデリング開始です。
Claudeにチャットで指示出ししてみる
環境が整ったところで、いよいよClaudeに制作を指示します。
実際の制作では細かな指示のやり取りを何度も重ねましたが、大きなターニングポイントとなった主な流れを抜粋してご紹介します。
1. 三面図を渡して丸投げ
まずはGeminiで書き出した三面図の画像を添付し、大まかに指示を出します。
プロンプト:
「この3面図のキャラクターを制作して。ポリゴン数は控えめで、リグを入れてポーズが取れるようにして」
出力されたモデルがこちら

一発目からヘルメットのバイザーの反射やカラーリング、ボーン(リグ)まで通った状態で出力されました。
これはすごい!
2. レンダリング画像を見せて全体調整
三面図と見比べた際のわずかな違和感を直すため、Blenderのスクショをそのまま貼り付けて視覚的にフィードバックします。
プロンプト:
「3面図と見比べて直してみて」
数値を指定せずとも、画像から差分を読み取って自動で微調整してくれました。
3. 細部の「積み木感」を修正
近くで見ると、手の甲と指が別々のパーツを重ねただけの「積み木状態」になっていたため、メッシュの一体化を依頼。
プロンプト:
「手の甲と指が離れているのが気になります。直せますか?」
「ボックスモデリングにして」
※ボックスモデリングとは?
立方体などの単純な箱(ボックス)から面を押し出したり切り込みを入れたりして、粘土のように削り・伸ばしながら目的の形に仕上げていく定番のモデリング手法。これに「サブディビジョン」を組み合わせて滑らかにするのが、3D制作の王道スタイルです。

指示を出すと綺麗にパーツが結合されました。
(※一体化の際にポリゴン数が増加したため、当初の『ポリゴン控えめ』の指定を守るようサブディビジョンのレベルを1に下げてもらいました)
※サブディビジョン(サーフェス)とは?
カクカクしたポリゴンを細かく分割して、つるんと滑らかな曲面にするBlenderの機能。数値を上げると滑らかで綺麗になりますが、そのぶんポリゴン数(データ量)が増えて重くなるため、今回は控えめな「1」に抑えてもらいました。
4. ポーズをつけて発覚した「ウェイト崩れ」を直す
ポーズを試すため左腕を横に上げさせてみたところ、腕の動きに引っ張られて腰回りのメッシュが大きく引き伸ばされてしまいました。
プロンプト:
「腰回りのウェイトがちょっとおかしい。見直して」

ボーンの影響範囲(ウェイト)の不具合も、スクショを添えてフランクに指摘するだけで、Claude側でウェイト値の再計算・再割り当てを行って修正してくれました。
ウェイトは直すのが大変なので、これはありがたい!
完成モデルと手作業モデルの比較
※記事内では主なラリーを4つに絞って紹介しましたが、実際には細かなバランス調整や修正のやり取りをチャット上で何度も重ねています。
こうしてAIとのディレクションを繰り返して仕上がったモデルがこちらです。


一番初めに添付した三面図はこちら。
前よりもシュっとした宇宙飛行士くんができました。
三面図と比べてもどうでしょうか?だいぶ近い形になりましたね。

トポロジーもとってもきれいです。
AIが自動生成したとは思えないほど四角面が綺麗に揃っており、無理のないローポリゴン構造に収まっています。
ポリゴン数も10,364でいい感じに収まりました。
やってみてわかったこと・まとめ
1. 「一発生成」ではなく、アシスタントと対話して詰める感覚
魔法のように一瞬で完成するわけではなく、実際は細かな指示のラリーの連続でした。
ただ、人間はツール操作の手を動かす必要がなく、「ディレクション」に専念できます。隣に優秀な新人モデラーがいて、指示通りに手を動かしてくれるような新しい制作体験でした。
2. スクショを投げるだけの「視覚的フィードバック」が快適
数値指示は一切不要です。スクショを貼って「見比べて直して」「ここがおかしい」と指示を出すことで、AI自身が画像の歪みを認識して自動修正してくれるフローは非常に強力でした。
3. プロトタイピングとベースモデル制作の圧倒的な高速化
本番アニメーションに耐えうるデータにするには、メッシュ整理などの仕上げがまだ不可欠です。
それでも、「ゼロからベース形状を起こし、仮リグを入れて動かす」までの工数を数日から1〜2時間に圧縮できるインパクトは、現場にとって計り知れません。
Blender初心者でもモデリングできるのか?
気になりますよね?
結論:操作を覚える必要はないが、「3Dの基本用語」が少し分かるとスムーズに作れます。
●初心者にやさしい点
複雑なショートカットやメニュー操作は不要。指示出しはすべて日本語で完結します。
導入もアドオンにチェックを入れるだけなので簡単です。
●知っておくと良い点
「リグ(骨組み)」「ウェイト(骨と肉の連動)」「ポリゴン数」といった最低限の単語を知っていると、AIへの修正指示が格段にスムーズになります。
これまで「Blenderの操作が難しくて挫折した」という方でも、チャットで指示を出すディレクター役としてなら今日から3D制作を始められます。
ちょっとした素材がほしかったり、資料として3Dモデルが見たかったりしたときにサクっと作れるようになったのはとても心強いですね!
RobloxのプロップやNPCの制作などもすごく時短になりそうです!
手元でBlenderが勝手に動き出すワクワク感は格別なので、ぜひ試してみてください!

ドットの表情やアニメーションもAIにお願いしてつけてもらいました。
こちらはまた別の記事でご紹介します!
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